万葉の昔から「筑紫野」は、政治と文化の要所として栄えました。街を散策すると、今もいたるところに史蹟、旧跡があり、歌碑などに刻まれた言葉から、いにしえの人々の心に触れる思いがします。秋のさわやかな空気のなか、いにしえより万葉の歌人に詠まれた名湯「二日市温泉」を訪ね、また菅原道真公をしのぶ「天拝山」の散策を楽しみませんか。しばし、はるかなる時の向こう、万葉ロマンに心遊ばせるひとときをどうぞ。
「天拝山」は、大好きな山です。春の新緑、秋は紅葉が彩る登山道を友人たちと一緒に運動不足解消に楽しんでいます。散歩に来ているワンちゃんとも友達になりますよ。(Sさん/50代・筑紫野市)
「天拝山歴史自然公園」には、子どもたちが遊べるアスレチックがあり楽しめるちょっとした穴場です。休日には家族でよく出掛けてゆきますよ。(Mさん/30代・城南区)
「二日市温泉」の雰囲気は、とてものどかでいいですね。界隈には、おしゃれなスポットもあるし、温泉や食事を楽しむにはとてもいい場所ですね。(Iさん/40代・春日市)
「二日市商店街」は楽しいですよ。特に地元野菜や加工品のお店がお気に入りです。(Kさん/30代・筑紫野市)
九州最古の寺といわれる武藏寺の雰囲気が好きです。藤の花の季節は特に足しげく通いますね。(Yさん/60代・大野城市)
武藏寺から天拝山へと登る「天神さまの径」は、こんもりとして、静かでいい登山道です。1合目から頂上まで歌碑を目印に登っていくのが楽しいですね。頂上まで来て、目の前に景色がパッと開けるのが嬉しいですね。(Nさん/50代・大野城市)
 「山ぢゃ天拝月見の名所/梅ぢゃ太宰府天満宮/梅と櫻は一時にゃ咲かぬ/うすらおぼろの夜がつづく/今日は武藏の温泉泊り/旅の疲れを湯で治す」。童謡作家・野口雨情の歌碑があるJR二日市駅前。
 二日市温泉は、かつては次田(すいた)の湯や武藏温泉とも呼ばれていました。奈良時代、大宰帥・大伴旅人が妻の大伴郎女を亡くした時に詠んだ「湯の原に 鳴く葦田鶴(あしたづ)は わがごとく 妹に恋ふれや 時わかず鳴く(湯の原で鳴いている鶴は、私のように、亡き妻を恋い慕うのであろうか。鳴きどおしに鳴いている)」の歌碑も温泉街の中ほどにあります。

 二日市温泉の歴史は古く、飛鳥時代。伝説上の人物と言われる藤原虎麿の娘、瑠璃子姫が流行病にかかった時、薬師如来のお告げによって次田のいで湯につかったところ、たちどころに病気が治ったといわれています。
 昔ながらの雰囲気を今に残した温泉街をそぞろ歩くと、心がゆるゆると和んでゆくのを感じます。温泉街の中心にある「御前湯」。黒田のお殿さまが、家臣に命じてつくらせたことから、その名が。明治維新後は、一般に利用されるようになりました(入浴料200円)。
 「御前湯」の正面玄関前には文豪・夏目漱石が明治29年(1896年)に二日市温泉に新婚旅行で訪れた際に、俳句の師に当たる正岡子規に送った一句「温泉(ゆ)のまちや 踊ると見えて さんざめく」の歌碑があります。盆踊りのざわめきか、宴会のにぎわいか、湯の街の活気が感じられます。

 ほかにも、あちらこちらに文人たちの二日市温泉に遊んだひとときを詠んだ歌碑があります。いで湯の郷を万葉の歌でたどってみるのもなかなか味わい深いものですね。
 筑紫野のうんちくを深めたくなったら「筑紫野市歴史博物館〜ふるさと館ちくしの」へ立ち寄ってみよう!
 歴史的な文化遺産に恵まれた筑紫野市。知れば知るほど興味深いもの。散策の前に、二日市温泉の近くにある「筑紫野市歴史博物館〜ふるさと舘ちくしの」で、うんちくを深めるのもいいですね。「ちくしの散歩」というシリーズで、さまざまな史蹟の資料を揃えてあり、だれでも手に入れることができます。また、常設展示室では、縄文、弥生期の出土品(国指定重要文化財)なども見ることができます。
 筑紫野市二日市南1の9の1
 TEL:092(922)1911
 9:00〜18:00(入館は17:30まで)
 二日市温泉の西、県道31号線を挟んで、照葉樹に覆われた「天拝山」があります。菅原道真公が、大宰府に左遷されたのち、無実の罪をはらすために、山頂に登って、天を拝したという伝説の山です。「この伝説の山に、一度は登ってみたい」と、この際、ハイキングコースにもトライすることにしました。

 二日市温泉街の中ほどを過ぎたところに、「天拝山歴史自然公園」「武藏寺」への道しるべがあります。案内に従って横道に入って行くと、登山の出立ちをした人たちがちらほら目に入ってきます。筑紫の歴史を語るには欠かすことができない「天拝山」一帯は、整備されて、森林浴の場として、市民に親しまれています。  

 道しるべに従って行くと、県道の下の地下道を抜けて「天拝山歴史自然公園」に到着します。
二日市温泉の発見者と言われる藤原虎麿の像
 「出会いの広場」「天拝広場」「つつじ園」「菖蒲園」「万葉植物園」があり、四季折々の花や植物が楽しめ、子ども連れには、ちょっとした遊戯施設もあり、家族みんなで楽しめます。

  天拝山に登ったり、隣接する武藏寺の散策を楽しんだりする人たちのくつろぎの場になっています。
 九州国立博物館に関する情報は、公式サイトをご覧ください