西鉄太宰府駅から都府楼、水城へと続く政庁通り。日本の玄関口として、政治、防衛の拠点として中心であった大宰府政庁の夢の跡です。そのバス通りの裏手にある「歴史の散歩道」をご存じですか? そこは絶好の散策ランド。遥か昔の歴史ロマンを感じながら歩くのにぴったりな散歩道です。観世音寺、戒壇院、大宰府政庁跡、筑前国分寺跡、そして水城跡…歴史的な史跡や建造物が続きます。ゆっくりと歩くのもよし、レンタサイクルで回るのもよし。早春のすがすがしい空気も心地よく、時が止まったように、のどかな時間が流れます。立ち止まり目をつぶると、いにしえの人々の息遣いが感じられるようです。
 太宰府コミュニティバス「まほろば号」もコースになってるので、1日フリー乗車券300円を利用して回ってもいいですね!
 

太宰府観光協会 http://www.dazaifu.org/
都府楼跡。静かです。自然の風を感じてください。(Nさん/60代・太宰府市)
太宰府市立学業院中学校沿いの歩道から、校門や外壁(外部と敷地を区切っている壁。通常ならフェンスのところが歴史を感じる。桜の時季などは散歩していると京都や奈良にいるような雰囲気に浸れます。(Fさん/30代・春日市)
大宰府政庁跡。何だかリフレッシュできる場所です。6月頃にはホタルも見られます。(Sさん/20代・太宰府市)
何もないけど、大宰府政庁跡。春は桜がきれいだし、開放的な芝生で遊ぶ子ども連れの親子が多いですよ。(Nさん/20代・太宰府市)
観世音寺の十一面観世音菩薩。お顔も体も乙女のような初々しいお姿で、とても好きです。(Sさん/50代・西区)
 青い空に心弾ませ、寄り道を楽しみながらの歴史の散歩道は、北に四王寺山を望む広々とした緑の平地、大宰府政庁跡の景色へと続きます。天気の良い日にはピクニック気分の家族や凧揚げを楽しむおじさんもいて、この場所は相変わらずのどかな気分にさせてくれます。

「大宰府展示館」
 ここは、はるか千数百年も昔に、九州全体を治め、日本の西の守りとして防衛を、外国との交渉の窓口でもあるなど重要な役割を果たした場所。九州国立博物館の4階、文化交流展示室の入口にある、大宰府政庁南門の復元模型を見れば、当時の華やかなりし都の姿を思い起こすことができます。

 史跡解説をしてくれるガイドボランティアの姿もよく見かけます。また、政庁跡に隣接する「大宰府展示館」に寄れば、政庁跡のことが何でも分かりますよ。
 大宰府政庁跡から、御笠川、国道3号線を超え、西鉄二日市、西鉄都府楼前の間の線路沿いにある「榎社」は、菅原道真公が太宰府に左遷されてから逝去されるまでの2年間を過ごしたところ。実際はどこにも出かけることもなく、ここに閉じこもっていたと聞き、一度はその庵を訪ねてみたいと思っていました。なかなか見つけにくい場所でしたが、簡素な佇まいに、当時の菅公の寂しい暮らしが想像できました。菅公を日夜お世話された浄妙尼を祀る社で、かつては浄妙寺と呼ばれていました。
 奈良時代の中頃(741年)、聖武天皇は天然痘の流行や内乱などの社会的不安が続いたため、諸国に国分寺を建て、その中心として奈良の東大寺を建てて、大仏をつくりました。

 筑前国分寺は、大宰府政庁西北の見晴らしの良いこの丘陵地に建てられました。創建当時の筑前国分寺は、約192m四方の寺域に、金堂・七重塔・講堂などの建物が整然と配置されていましたが、律令体制の衰退とともに国分寺の役割も失われていき、建物も荒廃していきました。
歌碑
膨らんだモクレンの蕾
 現在の国分寺は、金堂跡に建てられています。本堂には、平安時代後期に作られた木造の「伝薬師如来像」が安置され、重要文化財に指定されています。お寺の境内には、モクレンの蕾が膨らんでいました。

 国分寺跡の七重塔の復元模型を見に「太宰府市文化ふれあい館」へも立ち寄りました。

 「大野山 霧立ち渡るわが嘆く 息嘯の風に 霧たちわたる 山上憶良」
 筑前国分寺の南側、国分天満宮の境内には、憶良が大伴旅人の妻の死を悼んで、旅人に贈ったといわれる歌の歌碑があります。
七重塔の復元模型
 筑前国分寺跡から、最後の目的地「水城跡」へ。「水城」は、663年、白村江の戦いに大敗した翌年664年に、唐と新羅の攻撃から守るために、博多湾から太宰府へ向かう場所を土塁で防いだ人工の丘です。日本書紀には「筑紫に大堤を築きて水を貯へしむ。名づけて水城といふ」とあります。その規模は全長約1.2km、基底部の幅80m、高さ10mを越え、すべて人の手で築かれています。海側には幅60m、深さ4mの堀が造られ水を貯えていたとされ、それが「水城」の名の由来となっています。

 現在は九州の大動脈が通過する大きな通りに面したこの場所、このスケールの大きな場所に立ち、歴史の流れ、人々の暮らしに思いを馳せることができました。
 ほぼ1日かけて、ゆっくりと巡った太宰府「歴史の散歩道」。大人のピクニックのような楽しい時間でした。