天神さんのお札を持ったおばあちゃんとおじいちゃん。「●ちゃんの分も、●●くんの分もちゃんと受けてきたよ」「そうか、これでみんな合格だね!」とニコニコ顔。西鉄大牟田線の太宰府駅から電車に乗れば、よく出会う風景です。お孫さんの受験なんですね。そう、太宰府天満宮は、我らの受験の守り神。お参りをする、おみくじを引く、そして家族のシアワセを願ったりして…。
 年間約650万人が訪れる太宰府天満宮。九州国立博物館を訪ねた折に、新春のお参りはもちろんですが、今回はちょっとゆっくり境内を楽しんでみませんか。菅原道真公のことももっと知りたいですしね! では、参道からスタート!


太宰府観光協会 http://www.dazaifu.org/
学問の神さまが祀られている「太宰府天満宮」がとても好きです。私もあやかりたい!(Yさん/40代・太宰府市)
太宰府天満宮の境内にある茶店に腰掛けて、いただく梅ケ枝餅…いいですね! 紅葉の秋はもちろん、梅の季節もなかなか楽しいもの。温かいお抹茶と甘い梅ケ枝餅をいただきながら、それぞれの季節が満喫できます。(Oさん/30代・博多区)
本殿前の「飛梅」が咲き始めるころ、必ず天満宮を訪ねます。「こちふかば にほいおこせよ…」。菅原道真公を慕って一夜にして翔んで来たという飛梅伝説、梅の木のけなげさがいいですね。(Tさん/50代・那珂川町)
梅の季節になると出かけたくなるのが「太宰府天満宮」。天神さまにお参りして、かぐわしい梅の中を散歩するのが、大好きです。近ごろは、九州国立博物館もコースに入るようになりました。(Kさん/40代・春日市)
「だざいふ園」は、意外と大人も楽しい! (Iさん/30代・南区)
 参道を歩くと、「太宰府名物・梅ケ枝餅、食べて行きませんか」の呼び声と、おいしそうな焼きたての香り。長い列に並んで、梅ケ枝餅を焼くお兄さんの鮮やかな手さばきに見とれます。鉄製の焼型に餡を包んで丸められた生地をポンポン載せて手のひらで押さえて蓋を閉めていきます。その手際の良さはいつまで見ていても飽きないもの。

 表面がパリッ、そして中はもっちり。ほどよい餡の甘さ…参道や境内の茶店でこの「梅ケ枝餅」がいただけるのが、天満宮参りのシアワセ!
 不遇な生活を送っていた菅原道真公の心を癒そうと、浄明尼という老女が時折、道真公に差し上げていたのが、この餅。道真公が亡くなった時に、お好きだったこの餅に梅の枝にさしてお供えしたのが始まりという伝説があります。また、食べると病魔を防ぐともいわれています。道真公の墓所のある太宰府天満宮の参道には門前町が形成され、宰府参りのお土産として梅ケ枝餅は江戸時代にはすでに名物として売られていました。
太宰府梅ケ枝餅協同組合理事長の不老安正さん
 道真公ゆかりの太宰府名物「梅ケ枝餅」。伝統の味は、現在約40店で守られています。「作り方はもち米にほんの少しのうるち米を混ぜ、粉にしたものを水で練り、小豆の餡を練り上げた餅の粉で包み、団子を作る。その団子を焼き型で焼き上げます。生の粉から直接焼き上げるので、香ばしさがあり、外のサクサクとした感じ、中のもっちりとした歯ごたえ、小豆の餡との調和が絶妙ですよ」と、おいしさの秘密を語ってくださったのは、太宰府梅ケ枝餅協同組合理事長の不老安正さん。
 賑わう参道を抜けて天満宮に入ると、「心字池」が明るい日差しにキラキラと輝いています。池の形が「心」という文字をかたどっていることが、この名前の由来。心字池に架かる護神橋は太鼓橋、平橋、太鼓橋の三橋からなり、長くて辛かった「過去」、穏やかな「現在」、そして希望と新しい困難のある「未来」を現していると伝えられています。

 ちなみに、「太鼓橋を一緒に渡ると縁が切れる」という噂は、根も葉もない俗説。梅ケ枝餅のヤキモチから、そう言われたのでは? むしろ天神さまは、平安の時代より縁結びの神として信仰されています。
 本殿に向かって右側にある御神木「飛梅」は、その名前の通り都から菅原道真公を慕って、ここ太宰府天満宮に降り立ったという伝説があります。

 901年に、菅原道真公は、彼の出世をねたんだ藤原時平によって、太宰府に左遷させられることになりました。都から太宰府へ出発の時に、その愛すべき御前の梅に思いを残し、「こちふかば にほいおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」と詠みました。主人を失った梅は、道真公を慕うあまりに、後を追うように太宰府へ一夜にして飛来したといいます。この梅は「飛梅」と呼ばれ、ほかの6000本の梅に先駆けて、春一番に香り高い花をつけます。
 太宰府天満宮では「牛の像」をよく見かけます。それは、なぜでしょう。まず、管公は845年、乙丑(きのとうし)の歳に生まれました。そして亡くなった時に、御遺骸を牛車で運びましたが、牛車が今の天満宮の場所で止まり、そこに葬られ、それが太宰府天満宮の始まりとなりました。

 自分の部位と同じ神牛の体の部位とを互いに撫でさすると、健康になり、病気も治癒すると言われ、また、神牛の頭部を同じように撫でさすると、知恵が付くという信仰があります。
  筑紫路を代表する大樹「樟」。太宰府天満宮には樹齢1000年を越える国指定天然記念物の老樟が2本、県指定天然記念物「天神の森のクス」が49本あります。1000年以上生きて、今もなお、新緑の季節には生命の輝きを放つ大樟から、生き生きとしたエネルギーをもらってください。
  太宰府天満宮では、天神さまがこよなく愛された梅の木の下で、「瓢箪(ひょうたん)酒」を飲めば、不思議と難を逃れるという伝承があります。これは「瓢箪から駒が出る」という諺のように、思いもよらぬ幸運を授かるという信仰です。このように、太宰府天満宮では、「瓢箪」に祈りをこめて「厄よけ祈願」を行なっています。