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小倉城
 波静かな豊前海(周防灘の九州沿岸側)で育まれた「豊前海一粒かき」。ぷっくりと丸みを帯びており、濃厚な味わいが人気です。今回は、その魅力について紹介します。
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問い合わせ 曽根漁業協同組合(093・471・7128)、恒見漁業協同組合(093・481・0055)、柄杓田漁業協同組合(093・341・8911)、吉田漁業協同組合(093・471・7627)、北九州市経済文化局水産課(093・582・2086)。価格 1kg大=800円、同中=700円、同小500円。配送も可能。 ※販売は3月初頭くらいまで。時期によって販売時間が異なるので、電話で確認を
 各漁協から船に乗って、北九州空港方向に進むと、ロープに養殖のカキをつるした「カキ・イカダ」が点々と浮かぶ、カキ養殖海域が見えてきます。

 森林の落ち葉が微生物に分解されて「フルボ酸鉄(=天然有機物)」となり、雨で流れて川を通り、海に注ぎ込む――。貫川、朽網(くさみ)川、竹馬川と3つの川が流れ込むこの海域は、カキの養殖には絶好のロケーションといえます。カキの旬は11月末〜2月末。雨量が多く、冬が寒いほど質の良いものが育つそうです。

 平成10年に「豊前海区かき養殖研究会」が発足。「豊前海一粒かき」というブランド名が誕生しました。周防灘の九州沿岸側で養殖されるこのカキは、むき身にせずに殻付きのままで販売されることから、ネーミングには“一粒”という言葉が使われています。

 北九州市内で豊前海一粒かきの養殖を行っているのは、曽根・恒見・柄杓田・吉田漁業協同組合。今回取材した事柴(ことしば)和裕さんは、組合員40人の曽根漁業協同組合に所属しています。
 岩や貝殻に付着するという性質を持つカキの稚貝。産卵期(6〜8月)に、ホタテの貝殻を海中につるし、遊泳する幼生を付着させます。豊前海一粒かきは、宮城県産の稚貝付きホタテの貝殻を購入して使用。3月初頭になると、1本のロープに15個程度結び付け、海底に付かないよう水深約5〜6mにつるしていきます(写真1)。8カ月後の11月には水揚げ開始。1つのイカダから採れるカキは、5〜7トンほどです。

 竹で格子状に組まれたイカダ(写真2)は、約10m×約20m。6本ほどの碇(いかり)で固定してあります。

 イカダに到着したら、まず船を固定。専用の機械を使ってカキを水揚げをしていきます。水揚げ後は、手作業でホタテの貝殻、付着したフジツボなどを取り除きながら大・中・小に選別。漁港に戻ったら、カキをトラックに積んで自宅へ。さらに洗浄して不純物を取り除き、殻を電動ヤスリで磨きます。それを箱詰めすれば作業終了です。
 口の中でとろけるような食感や、乳白色のジューシーさが魅力の豊前海一粒かき。三大栄養素であるタンパク質、脂質、糖質のほか、ビタミンA・B・C、カルシウム、リン、鉄、亜鉛などがまんべんなく含まれている、まさに“豊前海のミルク”です。

 カキフライやカキ鍋もいいですが、「炭火でじっくり焼いて食べるのが一番おいしい。香りも楽しめるしね」と事柴さん。面倒くさがりの人には、電子レンジで2〜3分加熱するのがお薦めとのこと。朝採れたばかりの新鮮なカキしか販売しないという豊前海一粒かきだからこそ、シンプルな調理方法が人気のようです。