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焼きうどん
 デパートの地下でよく見た、持ち帰り用にアルミホイルで包んだ焼きうどん、駄菓子屋の一角に漂う、ソースの香ばしいにおい…。北九州っ子の思い出の中に、当たり前のように存在する“焼きうどん”。その発祥と、新しい動きを見つめました。
「だるま堂」(小倉北区魚町093・531・6401)店主の坂田チヨノさん
 昔ながらの風情が残る、小倉・鳥町食道街。その入り口に、焼きうどん発祥の店「だるま堂」はあります。
 カウンターだけの小さな店。一心に鉄板に向かう2代目店主・坂田チヨノさんの姿を見ながら、隣の男性が話してくれました。「高校生のころからだから、もう50年はこの店に通ってるよ。サラッとした独特の味は全然変わらない。今は大阪にいるけれど、ここがあるから、小倉に戻ってくるのが楽しみでね」。
焼きうどん
人気の「天まど」(490円)
 青春時代の懐かしい味、また“発祥の味”を求めて、全国から多くの人が訪れる「だるま堂」。開店は、昭和20年、終戦直後でした。食糧難の時代、創業者が米飯の代用に焼きそばを作ろうとしましたが、そば玉がなく、やむなく干しうどんを使った…これが焼きうどんの始まり。親戚だった坂田さん夫婦が昭和28年に店を継ぎ、現在はチヨノさん一人で切り盛りしています。メニューは「焼きうどん」、卵を落とした「天まど」のほかは、ほとんどありません。まさに、焼きうどん一筋の店。
 「私は、わが家ののれんを守っていくだけ。懐かしい方がたくさん来てくださるので、『変わらない味だね』と言っていただけるよう、真心込めて焼いています」。
 すっかり定着した焼きうどん。ですが“小倉発祥”とは、あまり知られていませんでした。そこに目をつけたのが、まちづくりをコンセプトにさまざまなイベントを企画運営している自主団体「北九州青年みらい塾」。始まりは、当時ホテルマンだった竹中康二さん(現同塾代表、門司出身)の「お客様に『北九州らしいものを食べたい』と言われても、紹介できるところがない」という実体験。そこで思い出したのが、いつも身近にあった焼きうどんでした。
 「これなら、人を呼べる観光資源になるかもしれない」。平成13年を皮切りに、翌年は焼きそばで有名な静岡・富士宮市に挑戦状をたたきつけ、焼きうどんVS焼きそばの「天下分け麺の戦い」を開催。この様子が全国放送され、一躍“焼きうどんは小倉”という認識が広がりました。
 同塾が母体となり、平成13年「小倉焼うどん研究所」を開設。ロゴマーク、ノボリの制作、メーカーとの商品開発、コンビニでの販売など続々と企画が実現する中、「自分たちで汗をかくことも大事」と、月数回は手弁当で市内外へ実演に出かけています。来年2月には青森で開催される「B―1グランプリ」(いわゆるB級グルメ対決)に出場。3月には、下関の瓦そばとのバトルが実現するかも!? 
 「目的はあくまでも、まちづくり。“焼きうどんと言えば北九州”と、観光客が来るようになれば…。まずは、地元で焼きうどんを生業としている人たちとどっぷり付き合い、一軒一軒理解を得ながら、焼きうどんの幅を広げ、発展させたいと思っています」
教えてくれたのは「お好み焼き いしん」(小倉北区魚町093・541・0457)店主の向井博幸さん
「ポイントは豚の背脂を使うこと。麺はパラパラ&モチモチ、ソースはまろやかになります。精肉店で肉を買うついでに、お願いしてもらってみて(有料の場合もあります)。チップ状にして、冷凍保存すればOK! ほか、煮物などで使っても、味に丸みが出ておいしいですよ」
「北九州青年みらい塾」
代表・竹中康二さん
▲小倉焼うどん研究所制作の「焼うどん食べ歩きMAP」。部数残りわずか(事務所090・7452・2118)。どこがおいしい?の質問に「味は千差万別。好みなので、食べ歩くしかありません」(竹中さん)
<材料>
豚の背脂/豚肉/キャベツ、ニンジンなど家にある野菜を適当に/うどん(できれば乾めん)/自家製ソース(1人分:ウスターソース50g、トンカツソース50g、しょうゆ小さじ1、オイスターソース少々)※甘めがいいならトマトケチャップを少し加えて
<作り方>
(1)ホットプレートを強火にして、ちょっと多めかな?というくらいの背脂(1人分で約3g)を炒める
 ★フライパンで作る場合は、面倒でも1人分ずつ作り、しっかり焼きを入れること
(2)脂がまわったら、豚肉→野菜→塩こしょう→うどんの順に炒める 
 ★野菜の水分はしっかり切る
(3)少し火を落として(ソースが焦げないように)、ソースを回しかける
 ★野菜が多いなら、ソースもたっぷり
(4)削り節、薬味をお好みでどうぞ